哺乳時 【浅のみ】のその後

2022年06月23日

小児歯科で観る子どたちこれは、哺乳の頃からの影響だなと考えられるケースに
本当に多く出会う。

授乳指導の際、赤ちゃんのお口を観察してアセスメントしてケアする。
これを初回授乳の時からちゃんとやれば哺乳は変わる。

もちろんお母さん側のケアも必要だけれどもそれだけでは片手落ち。

「哺乳、授乳が上手くいかない」という現象の裏に潜む問題を探さないと!
グローブして口腔内の観察必須


■乳首を深く吸えない(浅のみ)
舌の真ん中を盛り上げるような動きで、乳首(指)が押し出されてくる
これだと、舌を絡めるどころではない。
これは奥舌の過緊張が問題

これを取り除くと舌は前に出てきて巻き付いてくる
上唇もめくれて哺乳できる
上唇をアサガオのようにって無理やりめくっても無理


■ではなぜ?奥舌が緊張しているのか?
奥舌過緊張の場合は、必ず後頚部の過緊張がある
後頚部に手を添えながら左右差も感じながら(乳様突起の高さや冠状面での差も重要)
舌の盛り上がってくるところに指をのせて
舌が盛り上がってくる動きを抑制すると、奥舌の過緊張はとれてくる

どこかが過緊張だということは、その裏には、必ず反対側の低緊張があることも
忘れてはいけない
その状況が続くと、低緊張の箇所は感覚入力も不足して、ますます使いづらくなる


舌を押し出してくるどころかそれさえしない
ルーティングもしない、そんな赤ちゃんもいます。

ずっと浅のみで、口元だけを頑張って使う癖が離乳食の時も、そのまま残る
これでは、離乳食を卒業しても奥歯で噛む、すりつぶすことは苦手なはず。

口腔内で処理できなければ
「丸のみ」
「いつまでも飲み込まない」
などへ繋がってしまう。

「ちゃんと噛んで食べなさい」とか
「いつまでもお口の中に貯めてないで早く飲み込みなさい」とか
理不尽なことを言われる

子どもたち子どもたちは、
生きるために今できる最大の機能を使って食べている


それを尊重してその最大の機能を引き上げることが、そもそもの役割
けしてダメ出しすることではないはず。


【浅のみの影響、その後】
①呼吸 →循環器・免疫系・睡眠・皮膚・筋骨格系
②噛むための口腔機能
③歯並び・咬合
④話すこと
⑤視機能
⑥噛み締めや食いしばり 首こりや肩こりなどの不定愁訴 眼精疲労や視力低下、
 めまい、吐き気、ふらつき
⑦顔面(表情筋)→社会性
⑧メンタル

あげればきりがないほど
いかに哺乳の時期を大事にしないといけないかがわかります。
というよりも胎内環境やお産の時が、予防のために一番重要なので
妊婦さん、いやそれ以前からの
身体を整えることが、一番大切です。

「生まれたら歯科へ」の前に
生まれる時、生まれる前から一番関われるのは誰ですか?
助産師、産科看護師、保健師入院中、新生児訪問などなど気が付ける機会は沢山あるはず!
そういった視点の上で歯科(専門職)と連携することの必要性を痛感する。

↑上手く授乳できないと、ご相談にこられた方
赤ちゃんのお口と身体のケアと、少しだけお母さんの身体のケア
おっぱいケアはしていません。

あっという間に、自分で食いついて
深くくわえて上手に飲んでくれました。